「ねぇ、太一。ナプキン持ってない?」






「……………………は……?」
















 突然投げつけられた空のその言葉に、流石の太一もフリーズする。

「ストレスかしら…。やぁねぇ、予定が狂ったみたい。で、持ってない?」
「………………………………………………………………………………………空さん?」

 目が点になったままの無表情で、それでも何とか名前を呼べば、空はやっと顔を上げて太一に向き合った。

「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ああ」

 ぽんっと空の両手が軽い音を立てて重なった。

「ごめんごめん。何だか太一が女ってことに慣れきっちゃって、当然持ってるもんだと思い込んじゃったわ」

 あはは、と軽く笑う空に、太一の米神がひきつく。

「……………空」
「なぁに?太一」

 オドロ線を背負う太一とは対照的に、周囲に小花を散らしそうなほど明るい空。

「……………………………………ワザとだろう」
「うんv」

 爽やか過ぎるほど爽やかに、そして無駄に可愛らしさを強調させる、小首を傾げる仕草付きの計算され尽くしたポーズ。




「光子郎――――――――――っっ!!!」




「はいいぃっっ!!」

 強制的に二人の会話を背中越しに拝聴させられていた光子郎が、太一の怒声にビクゥッ!と体を跳ね上がらせる。
 場所はODAIBAマンションの泉家、光子郎の自室。
 可愛らしい女の子の服を身に纏い、明らかに『女装』とは違う自然な胸の膨らみ…それを惜し気も無く曝しつつ現れた太一の姿に、玄関で応対した光子郎の母は一瞬だけ目を見張ったが、特に何を聞くことも無く、いつもの笑顔に当社比三割増の朗らかさでに〜っこりと微笑み、『いらっしゃい、太一君v』と迎え入れてくれた。

 その、今日も熱く輝く真夏の太陽も裸足で逃げ出しそうな満面の笑顔を、太一はしばらく忘れられそうも無い。

 あの笑顔は、己の母に通じるものがあった。
 そして、改めて確信する…光子郎とこの人は、正真正銘の親子だ。
 親子に必要なのは『血』じゃあない…『環境』だ!…と。

「解決案はまだかっ!?」
「すっ、すみませんっっ!もう少し、もう少しだけお時間下さいっっ!!」

 光子郎は椅子も倒さんばかりの勢いで立ち上がり、次いで額を床に擦り付けかねない風体で懇願した。
 太一はそのあからさまに絶対服従誓いでもしているかの様子と言葉にちっと舌打ちするが、流石にそれ以上は何も言わなかった。

 そんな二人の様子に、光子郎のベットの上で我関せずと優雅にくつろいでいた空だったが、とうとう吹き出して遠慮無く笑い転げる。
 この世の春を謳歌しているような楽しげな笑い声は癇に障ったが、それを二人は綺麗に無視した。

 まあ、光子郎の方は、それに構っていられる余裕が無かっただけだが…。

 光子郎にしては解決策の究明に時間がかかっているようだが、今回ばかりはそれも仕方が無い…何せ、今までに起こった様々な問題とは根本的に種類が違う。何より太一の身体のことだ、慎重にならざるを得ない。
 しかし、当初はあっさりし過ぎるほどあっさりと状況を受け入れ、夏休み中で学校に行かなくてもいいということもあり、『女の勝利に満ち満ちた人生』とやらをしばらく楽しんでもいいかとも思っていた太一だったのだが…毎晩のように母親から、妹と共に『初潮・月経・受胎から出産』の心得と準備を事細かく聞かされている太一としては、一刻も早くこの状態から抜け出したいと思い始めていた…。

 本当に『子供の産める身体』に『進化』してしまったりなんかしたら…笑えない。

 そして、何処からそれを聞きつけたのか、空が少々性質の悪い冗談で、全身全霊でからかいに来るのも勘弁してくれな心境だった。
 太一の身体が『女』に変化して早一週間…光子郎の徹夜は二日目を終え、窓の外では蝉が相変わらずの夏の効果音を合唱していた。
















 翌日、目の下にはっきりと隈を作った光子郎に呼び出され、あの日の草原に、あの日のメンバーが集まった。

 前日の帰り、今の光子郎と同じ位目の下に隈を作った、夏期講習合宿でよれよれの丈にばったりと出会ってしまい、突然のことにフリーズした太一を、丈は少しズレてしまった眼鏡を戻してから上から下までじっくりと眺め、『…本物?』という呟きの元、おもむろに胸を揉まれてしまったことは、太一だけの秘密である。

 慌てた太一の論点が微妙にズレた反論と解り辛い説明を聞いた後、そのまま何事も無かったかのように頷き『戻れなかったら僕がお嫁に貰ってあげるから、心配しなくていいよ〜』と手を振ってエレベーターに消えた丈に『…ああ、ヨロシク…』と思わず呟いて見送ってしまったことも、きっと誰も知らない。
 『選ばれし子供達』の中でも最年長だからか、それとも色々と揉まれて成長したおかげか…繊細で神経質と言ってもよかった丈の精神は、この数年でかなり図太くなっていた。

 精神的にまだまだ未熟繊細な後輩達には、是非とも見習ってもらいたいものだ…痴漢行為以外を。

 それはともかく、今彼等は、だだっ広い草原につっ立っている。
 普段ならば、この世界で、ダークタワーを倒す等の目的も無く身を隠す物も無いような場所に無防備に立つなどということはしないのだが、あの時と同じ、もしくは近い条件にすることが解決に繋がるというのが光子郎の出した答えだった。

「…申し訳ありません。…時間がかかった割りに、こんな方法しか導き出せず…」

 がっくりと肩を落とす光子郎の様子に、太一は苦笑しつつぽんっとその背を叩いた。

「気にすんな。てか、仕方ねぇよ。例によって例に漏れず、じーさんとは連絡も取れねぇし」
「……ええ。本当に、肝心な時所在が分かりませんよね…ゲンナイさんて…」
「まあ…ゲンナイさんだから…」
「ああ。ゲンナイさんだからなぁ…」

「…………」

 ふっ、と諦めを混ぜた遠い目をする先輩達に、後輩達は乾いた笑いを漏らす。

 彼等の戦いや、アドバイザー的存在のはずのおじいさんの話は以前から色々と聞いてはいたのだが、『選ばれし子供』となり、戦いに出るようになって早数ヶ月…未だにそのじーさんに会ったことは…無い。
 最後の頼みとなるべき人が『そう』では、心許無いこと限り無い。
 いや、だからこそ、自分達で一から考え、誰に頼るでも無く、戦って進むしかなかった太一達は、己の足でしっかりと立ち、真っ直ぐに前を見据え、その時々の最善を己達の力のみで導けるほどの成長をしたのかもしれないが…そうせざるを得ない状況に投げ込まれていたという事実は、かなり聞く方としては切ない。

 例えへたれでも、オタクでも、魔女でも、昼行灯でも、性別が変わってしまっても、やっぱり凄いな〜と、彼等に尊敬の眼差しを向ける、大輔・京・伊織の三人だった。

 結構その目は曇っている。
 こういうのも『恋は盲目』と言うのだろうか…。

 それはさておき、いくらデジタルワールドの天気が気象庁の予想する明日の予報よりも気まぐれとは言え、本日の空は雲一つ無い晴天。
 先日の事件の時も晴天から突然崩れたとは言え、今日も同じことが起こるとは、とてもじゃないが思えない。
 やはり、『天気が崩れる(しかも雷雲必須)』ことを前提とした『前回と同条件』というのはどう考えても無理がある。
 さてどうするかと思案する一同に、光子郎は心配ご無用と手を上げた。

 ついさっきまで頭の上に乗っけていた、力不足で申し訳ありません的暗雲は、もう何処にも見えない。
 頭上に広がる青空と同じ位の晴れ具合だ。
 それ所か、心なしか…その輝いている笑顔自体が黒い。

「天気など…僕らの前では塵芥も同然。些細なことです。遠足前夜にてるてるぼーずを吊るすような可愛らしい思い出とも無縁です」
「…いや、その天気が、今回に限っては最重要事項だろう?」
「ははは。小さい、小さいですよ、ヤマトさん!僕ら『選ばれし子供達』の前では雷雨も偏西風もエルニーニョ現象も恐るるに足らず!」
「神をも恐れぬ発言だな、光子郎…」
「何をおっしゃいます。自称『デジモンの神』を五匹も倒しておいて、今更いるかどーかも分からない神様とやらに敬意ですか」
「お前だって毎年初詣に行ってるだろうが」
「さて、雑談はこの辺にしておいて、本題に参りましょう」
「…おい」

 見事に都合の悪いことには蓋をし、話題をさっさと切り替えた。

「先程ヤマトさんもおっしゃいましたが、今回の作戦のキーはやはり、『雷』であることは間違いありません」

 だよな、やっぱり…と仲間達が頷く。

「が、しかし!我々は、そのいつ落ちてくるかも分からない雷を阿呆のように待ち惚けする胆力も、迷信のままに七日七晩の雨乞い祈祷をする労力も必要ありません」
「え?じゃ、どーすんですか?」

 不思議そうな後輩の言葉に、光子郎は爽やかな笑顔を送る。

「ここに、生きた雷電庫がいます」
「いやぁ〜テレますわ」

 誇らしげに宣言する光子郎の隣で、表情など無いはずのに、何故か感情豊かな印象のあるテントモンが照れ臭げに頭を掻いていた。

 ああ、必殺技のアレか…。
 と、納得しかけ…固まる。
 アレを…浴びさせるんですか…?

「ちょっと待て、光子郎っ!」
「はい、何ですか?ヤマトさん」

 怒髪天を突きそうなヤマトに、にっこりと落ち着いた反応を返す光子郎。
 その阿吽の呼吸は、今までにも同じような掛け合い漫才を山ほど繰り返して来たのだろう慣れを伺わせた。

 そんな熟練されたショーを特等席で観れるオレ達って幸せ者だな!
 全くです!
 ホントよね!

 …と、少々現実逃避気味に微笑む者も三人ばかりいたが、その他の者達はもちろん、その様子すらも全て、生暖かい眼差しで見守っていた。
 ここで口を挟んで、被害がこちらにまで雪崩れ込んでくるような愚は犯さない。

「って!そーじゃなくてだな!太一にプチサンダー浴びせかけるのか!?いくら成長期の技だって危ないぞ!」

 何かあったらどうするんだ!と叫ぶヤマトに、光子郎はまさか、と笑う。

「そんな危ないことしませんよ。ちゃんと調整して、威力を抑えてからです」
「そ、そうか…ならいいが…」
「当然ですよ。まかり間違って太一さんの頭髪がアフロなんかになった日には、次の瞬間には僕の墓石がこの場に立てられちゃいますよ」
「ははは。そうだな」

 容易に想像がつくそんな事態に、ヤマトも引き攣った笑いを浮かべる。
 墓石の前に、まずは卒塔婆で串刺しの刑から執行されることは間違いない。

「ええ。ですからヤマトさん、あなたが実験台になって下さい」
「そうだな。それなら…………………」

 意図的に創り出されただろう和やかな雰囲気にそのまま流されそうになりつつも、スルーするには不穏過ぎる台詞がヤマトの耳にかろうじて引っ掛かった。
 ほとんど奇跡である。



「………………………………はい?」



 カラクリ人形よりもぎこちない動きで光子郎の方を向くヤマト。
 そうして迎えられた、100%ピュア過ぎてさぞかし裏側の影は濃かろうな笑顔。
 胡散臭すぎて、さっきの言葉が聞き間違いなんかでは無かったことを嫌でも思い知らされた。
 もう一度光子郎から同じ言葉を聞くために、聞き返す必要など何処にも無い。

「……………………イヤダ」

 搾り出すように零れ落とした言葉に返されたのは、嘲笑にも似た鼻息一つ。
 そんなのは想定範囲内だとでも言うように、光子郎はますます笑みを深くした。

「嫌だなぁヤマトさんてば。拒否権があるとでも思ってらっしゃるんですか?」

 その、語尾も弾まんばかりの口調が更に怖い。
 丁寧語である所が更に極悪だ。
 だが、ここで負ける訳にはいかない。
 一歩でも引けば、己の運命は一つしか残っていないのだから。

「〜っっっ、嫌なモンは嫌なんだっ!だいたいオレをアフロにする気か!?オレならアフロになってもいいってのか!?」
「ええ、構いません。ステージに立つ者として、体を張って笑いを取ってきて下さい」
「オレがやってるのはバンドであってお笑いじゃねぇ!!」
「何を言うんです!バンドだからこそ、常に新しいものに挑戦していかなくてはならないのではないのですか!?人は誰しもが心の開拓者であるべきなのです!さあ、今こそその一歩を勇気を出して踏みはず、いえ、踏み出す時です!誇りをもってアフロに!!と言うか実験台に!!!」
「妙な言葉で飾り立ててアフロを微妙に薦めるな!つか、それとこれとは話が別だろう!?それに何か、途中ちょっと間違えてたぞ!」

 たまに眉間に皺を寄せ、揺れる心を表すかの様に斜め上を視線だけで見ることもあったが、結局流されなかったヤマトにチッと小さく舌打ちする。
 どちらも強くなったものだ…。

 だが、光子郎とて心情的にはヤマトと同じ背水の陣。
 ここでポイントを稼いでおかなければ(誰の?)未来は無い。

「………分かりました。ヤマトさん、ヤマトさんの代わりのスケープゴート…いえ、ヤマトさんの変わりに実験につき合って頂く方をヤマトさんが選んで下さい」
「な……っ!?」

 告げられた言葉に、ヤマトの目が驚愕に見開かれる。

 自分が嫌だと拒否している実験(?)を、自分の手で誰かに押し付けさせると言うのか!?
 それをこのオレの口から言えってか!?

 二の句が告げれず、ぱくぱくと口を開閉させるヤマトに、さあ、どうします?…と微笑む光子郎。
 退路から攻めて来た知識の紋章保持者の策略に、思わず天を仰ぐ。

 逃げ場を探して視線を泳がせれば、話の展開に着いて来れていないだろう、呆然とした三人の後輩の姿を見つけた。
 三瞬ほど迷ったが…駄目だ、年下に押し付けるのは、自分のプライドが許さない。
 更に振り返れば、笑顔なのに、全く思考を読み取らせない弟がいた。

 論外。

 オトウトハマモルモノ。
 マモルモノナノデス。

 何処か言い訳と言うよりも、自分自身に言い聞かせるような響きには、とりあえず全力で気づかないでおいた。

 その隣には、同じように底の知れない笑顔を浮かべた少女が二人…この二人は、逆らっていい存在では無い。
 ここでどちらかでも生贄に差し出そうものなら、自分に訪れるのは明るい明日では無く、悪夢の日々であることは明白。
 命までは獲るまい。けれど、その方がずっとマシだと思えるほどの涙に濡れる日々よこんにちは、だ。

 考えるまでも無い。

 いや、こんなことをちらりとでも思ったことがバレたら、それこそどんなことになるか…想像したくも無い。
 真夏なのに…寒いな…そう、ヤマトは感じた。
 そして、最後の一人、太一を見つめ…覚悟は、決まった。

「……光子郎」
「はい」
「お前が浴びればいいだろう?」

 徹底抗戦…友情と知識のはっけよい、のこった。

「ふっ…やっぱりそう来ましたか」

 予想してましたと笑う光子郎に、ヤマトが一瞬詰まる。
 先制攻撃をしたつもりが、出会い頭の足払いにて、いきなり体勢を崩された形の友情。

「でも、ヤマトさん。この役はヤマトさんしかいないんですよ」
「な、何故だ!?」

 軽いジャブを繰り出す知識に既に翻弄される友情…流石に心理戦に友情は弱い。



「何故も何も…ヤマトさん、あなただったら、己のパートナーに、自分を攻撃しろと言えるのですか!?」



「っ!?」

 はっと、隣に寄り添うパートナーを見る友情。
 不安そうなつぶらな瞳が胸に痛い。

 今この時、ガブモンには悪気はもちろん、全く何の意図も無かったが、状況的に決して味方では無いことに彼等は気づかなかった。
 それこそが罠であると…。

「あの夏の日に出会って以来、神経をすり減らし、帰れる宛ても無い壮絶な戦いの日々の中、辛い時も哀しい時も楽しい時も飢える時も病める時も共に寄り添い合い支え合ってきた、嘘偽りの無い、絶対の信頼と愛情を注ぎ、体を張って命懸けで僕達を守ってきてくれたかけがえの無いパートナーに、自分に向かって攻撃しろと、あなたならガブモンに言えるのですか!?そしてこの僕に、テントモンに僕に攻撃しろと、言えと言うのですか!!?」
「っっ!!!」

 知識の繰り出した右ストレートが、友情のど真ん中、一番弱い所に決まってしまったらしい…がっくりと膝をついて項垂れるヤマトに、見えない所で光子郎がにやりと笑った。
 例え、ガブモンに頬を叩かれたとしても、ヤマト自身に技をかけろなど、言えるはずが無い。
 ヤマトの完全敗北だった。

 が、そんなやりとりの横で、後輩達がこっそりと囁き合う。

「………なぁ」
「何よ?」
「ここでさ、オレのライドラモンも雷出せます〜って言ったら、どーなると思う?」
「言ってみたら?自分の命が惜しく無いなら」
「…止めとく」
「懸命です。大輔さん」

 少々顔色を悪くした彼等のパートナー達は、余計な口は挟まず、彼等の決めたことに頷いた。

「…悪かった。オレが間違ってたよ、光子郎…。オレがやる」
「いいんです、ヤマトさん。お風呂で丈さんが腰に巻いたタオルは無理矢理剥ぎ取っても、ガブモンの毛皮を捲られそうになった時は体を張って阻止したヤマトさんなら、分かってくれると思っていましたから…」
「「「……………………」」」

 微妙な話題に、誰もが口を閉ざす。
 動物愛護の精神だろうか…?

「さぁ、ヤマトさん。時間も押していることですし、さくさくっと実験いきましょうか♪」
「あ、ああ…」

 何処と無く嬉しそうな光子郎に、覚悟は決めてもヤマトの腰がちょっぴり引けた。

「お兄ちゃん、頑張って!」

 …タケル。

「頑張って、ヤマト!根性よ!」

 はは…根性でどうにかなるものなのか…?

「ヤマトさん、信じてます」

 …逃げないことをかい…?

「ヤマトさん、オレ達ここでしっかり見てます!」
「おっとこらしい〜v」
「頑張って下さい」

 …他人事だな…ホントに。

「……ヤマト」

 ちょっぴり泣きたい気分になってぃたヤマトの耳に届いた、清廉な声音。

「…オレのために…」
「太一…」

 潤んだ瞳にドキリと鼓動が跳ねた。

「逝って来いv」

 無慈悲な言葉が、跳ね上がった先の心の臓を串刺した。

 …そんな小技まで習得しておいて、お前ちゃんと男に戻れるのか?
 もしや、男に戻ってもその技使うのか?
 そうか、使うんだな…そしてオレ達を振り回し続けるんだな…そうか、そうなんだ…。

 お前もう、どっちでも同じなんだから、いいじゃないか!
 戻らなくてもさあ!
 電撃浴びてまでさあ!
 オレはどっちのお前も好きだぞ!
 マジで!
 だ、だから…っ!

 な〜んて本音は口に出すことは出来ないが、このまま儚く散ることも出来はしない。

「〜〜〜っっ、来い!光子郎――っっ!!」
「行くのはテントモンです」
「ほな行きますで〜」

 なけなしの決意を総動員した叫びに返って来る言葉すら冷たい…が、ヤマトももう、これ位のことではへこたれない。
 男の子は一夏の冒険で、打たれ強く成長したのだ。

「遠慮無しにいけ、テントモン!」
「だそうです、テントモン。電撃パワーMAX」
「んなっっ!!??」

「プチっ」

「やはりまずは、最大出力からですね。順に落としていきましょう」
「違うだろう!普通反対だろう!?オレの心臓止める気か!!」

「サンっ」

「待て!待て待てっ!オレが死んだら実験の続行が出来なくなるぞ!ここは一つ慎重に…っ」

「ダ――――――ッッッ!!!」





「ぎゃああああぁぁあああっっ!!!!」






 …デジモンは、パートナーの指示に対して素直過ぎる…と、ヤマトは思った。

 プスプスと煙を上げる草原の中に横たわる焼死体、もどき。
 それでもアフロになっていない所は、美形キャラの最後の砦だろうか。

「ヤマトぉぉおおおっっ!!!」

 涙目で駆け寄るガブモンの姿に、流石に肝が据わりきっている一同も決まり悪げに視線を逸らす。
 決死の想いで雷を受けたヤマトへでは無く、ガブモンへの罪悪感から…。

「……う…っ、ガブモン…」
「ヤマト!」

 呻きながらも意識を失ってはいなかったらしいヤマトに、喜色の混ざった声音で呼べば、よろりと顔を上げる。

「…………うげ…」

 声を上げたのは誰だったのか…ちょっぴり好奇心を抑えきれず覗き込めば、さらりと揺れた金髪の向こうから、擦り傷一つ無い容姿を覗かせた。

「…流石、美形」
「これが世に聞く有名な、『美形治癒』か…」
「初めて見たわ〜…」

 気にする所が違うが、デジモンを倒す必殺技を受けて、ヤマトが傷一つ負わないだろうことを確信してしまっている彼等の神経もすごい。

「ヤマト?大丈夫か?」
「あ、ああ…なんとか、な…」
「そうか?…じゃあ、次」
「待て!てかホント、待って下さい。お願いします〜」

 涙交じりの懇願に、流石にちょっぴり虐め過ぎたかな〜と反省する。

「…ごめん、ヤマト。調子に乗りすぎたな…」
「た、太一…!」

 しゅん、と俯き、力無く笑う太一に、一度止まりかけた心臓が跳ねた。
 現金だが仕方が無い。
 だって相手は太一だから(笑)

「いいんだ、太一。…オレこそ役に立てなくて…」
「いや。ヤマトはよくやってくれたよ。サンキューな?」

 そう言って微笑む太一に、それだけで報われた…!生身で必殺技MAXを受けたのは無駄じゃなかった…!…と思ってしまう辺り、かなりおめでたいのだが、流石に誰も、一青年の心の内を読み取ることは出来ない。
 表情からある程度の予測をつけること位は出来ているが。

「お前一人にもう無茶はさせない…オレも一緒に雷を受けるぜ!」
「はい!??」

 おもわず、がばりと起き上がってしまうヤマト。
 そのヤマトの体をがしっと受け止め、支えるというよりは拘束する言った方がしっくりくる形で抱きしめる。

「御立派です、太一さん!流石我等のリーダー!天晴れなお覚悟です!!」
「お姉ちゃん!私お姉ちゃんのこと誇りに思う!」
「太一、ヤマト!私達が見守っててあげるわ!心置きなくこの試練に挑みなさい!」

 その無駄に爽やかな効果を撒き散らす演出はなんだ。

「ちょ、ままままま…っ」
「遠慮すんな、ヤマト!オレ達はいつだって一緒だった。エンジェウーモンとエンジェモンの希望の矢を受けた時だってそうだった…今度も手を繋いでよーか?」
「感電コースかっ!?」
「さあ、やってくれ、テントモン!さっきの十分の一位の威力でな!」
「十分の一かよっ!て、そーじゃなくて!太一がやるなら俺が一緒に電撃受ける必要無いんじゃねーのか!?そうだろう!!?」
「一人は皆のために、皆は一人のために!さあ、準備はいいぞ!」
「太一っ!腕を絡めるなっ!こんな状況じゃなきゃ嬉しいがって違うっ、逃がさないためだろうっ!?」
「ほないきまっせ〜♪」
「誰かオレの言葉を聞け〜〜〜っっ!!!」

「プチサンダ〜〜っ!!」



「「vjk;afsfk@,,sっっ」」



 ビリッと体を駆け抜けた感覚に体が硬直する。
 構えていても流しきれない衝撃に、よく自分は死なないな〜と、まるで他人事のように思ったりする。
 一瞬気が遠くなったが、抱えていたヤマトの腕を更に握りこむことで意識を引き止めた。
 その時、腕越しにヤマトの体が更に固まった気がしたが、雷が伝わった条件反射のせいだと思っておくことにした。

「お姉ちゃん!お姉ちゃん大丈夫!?」
「太一っ!」

 自分を呼ぶ声に、気を失ったのは一瞬だと思っていたのだが、実はもう少し長かったことに気づいた。

「…〜ん…、だい、じょぶ…」

 ふるっと頭を振って意識をはっきりさせる。
 その様子に、仲間達はほっと息を吐く。

「…ヤマト、お前は?」
「ああ…オレも、平気だ」

 少し虚ろな瞳で虚空を見ていたが、数度の瞬きで意思が戻って来た。顔自体には『酷い目にあった…』と愚痴が書いてあるが、怪我は何処にも無い様だ。

「…で、どうだ?」
「?…どうって?」
「いや、だから…身体」
「っ!」

 途惑いがちに聞かれたそれに、やっと本来の目的を思い出す。
 痛い思いを我慢までして強行した…目的『男の身体に戻ること』。
 慌ててパタパタと体中に手を這わせる太一。

 今日は『元に戻る』ことを前提として来たので、最近着させられていた身体にフィットしてボディラインを出す服では無く、ゆったりとした余裕のある男物の服を選んで着て来た。
 それ故に、見た目ではよく分からず、太一本人の確認が終わるのをじっと待つしかなかった。
 そして、確認のために動き回っていた手がとまり、太一がゆっくりと顔を上げてほっとした笑顔を浮かべて言った。



「…もどった」



 へにゃっと笑顔が深まる。
 まだ反応出来ない仲間達を尻目に、両の手をぐっと握り締め、空に突き出す。

「もどった―――――っ!!」

 響く雄叫びに、彼等の意識もはっきりとした。

「っ、お兄ちゃんー!!」
「太一っ!」
「太一さんっっ!!」

 満面の笑みで抱きついてきた妹を受け止め、他の者ともハイタッチ等をして喜びを分かち合う。
 そして…。

「ありがとな…ヤマト」
「……ああ」

 こつんと拳を合わせ、にっと笑い合った。
 そうして、残念なような嬉しいような複雑な顔をしたヤマトの首にぐるりと腕を回して引き寄せる。

「!?///」
「…これ、お礼な?」

 ウィンクして放し、今度は光子郎の名を呼んで抱きついた。

「光子郎〜!お前天才〜っ!!」
「た、太一さん!?///」

 驚いて慌てる光子郎をホールドし、ヤマトと同じようにその頬にキスを贈った。

「あ〜っ!ヤマトさん達ばっかズルイ!!」
「そーですよ、太一さん!」
「太一センパ〜イ〜っっ」
「あははははは♪」

 キスを贈られ呆然とする二人を残して始まった鬼ごっこ。
 だだっ広い草原の中で所々残されている焦げ跡。

 それすらも今は愛しい。

 よく分からないながらも、何やら楽しい雰囲気を察したデジモン達までが参加し、いつの間にやら別の遊びに変わっている。
 その様子を微笑ましげに眺め、座り込んでいたヤマトと光子郎の間に空が腰を下ろした。

「お疲れ様、二人とも」

 裏の無い笑顔での労わりに、二人も笑顔で返す。

「…間に合ったわね」
「ええ…来週から学校が始まりますからね。ちょっと焦って、強攻策に出ちゃいました」

 照れ臭そうに暴露する光子郎に、空とヤマトも仕方無さそうに笑う。

「空は素で楽しんでただろ?」
「ま、ね♪もーちょっとあのままでも、私は良かったかな〜」

 本当に楽しそうに笑う空に苦笑する。

「勘弁してくれ…こっちの心臓がもたん」
「右に同じ、です」

 楽しかったけど、疲れた。
 面白かったけど、疲れた。
 嬉しかったけど…とにかく疲れた。…と、文末の全てに『疲れた』と付けたくなるのが本音な出来事だった。

 あの姿の太一でも構わないし、どっちかと言えばもちろん『好き』だが、精神力がもたない。
 後輩達とデジモンを引き連れて楽しそうに駆け回る太一を見て、思わず口元が弛む。

 今だって『小悪魔』みたいなものなのに、『女』になった太一は、糸の切れた風船どころか、コントロールを受け付けなくなった暴走ラジコンの様に予測がつかなかった。
 離れる気は更々無いが、あれに常に振り回され続けたら、先に体力の方が根を上げてしまうだろう。

 そんな、『うんざり』とは少し違う、けれど疲れきった顔の二人を見れば、空は笑うのを我慢出来なかった。

 雲一つ無いデジタルワールドの空の下、明るい笑い声が響く。
 今は大きな敵もおらず、彼等を縛る物も無い。

 彼等の心も、この空と同じように澄み渡っていた。

















「あっっついな〜〜…」
「九月とはいえ、なかなか涼しくなりませんねぇ」

 新学期の始まった学校の昼休み、涼を求めて根城の一つ、クーラーのある生徒会準備室へ向かう太一・ヤマト・空・光子郎の四人。
 直にある体育祭の打ち合わせも兼ねているので、堂々と一般生徒諸君を出し抜けるのは嬉しい。
 普段は雑用係のようなものだが、こういう時は大義名分が役に立つ。

「にしても…つっ!?」

 気だるげに話していた太一だったが、扉を開けようとドアノブに手を触れた所で、弾かれたようにそれを放した。

「太一?」
「どうしたんですか?」
「…いって〜…」
「なんだ、怪我したのか?」

 びっくりした顔で不思議そうにドアノブと己の手を見ている太一の姿に、ヤマト達が心配そうに様子を伺う。

「ああ、悪い。何でも無い…ちょっとバチっと来ただけで、静電気かな?」
「静電気?冬にはよくあるけど…でも、一瞬なのに痛いのよね〜あれ」

 二度三度指を揉んで異常が無いことを確認すると、今度は慎重にドアノブに手をかけて開く。

「まあ、オレ等はこないだ、静電気なんか目じゃねぇ位痛い思いしたかんなぁ。なあ、ヤマト」
「そうだな」

 苦笑しつつ部屋に入り、クーラーをつけてちょっとした命の洗濯気分に浸る。

「そーいやさあ、て…ん?………」

 何かを言いかけた太一が突然そのまま黙り込んでしまったため、三人の視線が自然と太一に集る。

「太一?」
「……………ヤマト」

 ちょいちょいとされる手招きに誘われ、何も考えずに側に行くと、おもむろにむんずと腕を掴まれた。

「太一…?……〜〜〜〜っっっ!!??」

 声にならない悲鳴を上げたヤマトの様子に、何事かと二人も太一の傍らに急ぐ。

「た、太一??」
「ヤマトさん??」
「たっ、たたたたたたった!?た、太一っ!たっ…っ、放っっ!!///」

 動揺して言葉もままならないヤマトの右手は、がっしりと太一に掴まれたまま、彼の左胸に押し付けられている。
 しかも、わきわきと動かしてしまった手が、太一の胸を揉む形になってしまって更に混乱し、今は引き攣りそうな形でぴくぴくしていた。

「………やっぱ、ある」

 ぼそりと呟いた太一の言葉に、空は電光石火で太一に近寄り、裏拳でヤマトの頭を跳ね飛ばした返す手で開襟シャツの胸元に指を入れてぐいっと手前に引っぱり中を覗き込む。

「……………………ある」
「…は?」

 事態が飲み込めず、いや、脳が理解することを拒否し、間抜けな声を出してしまった光子郎。
 そんな彼を置き去りにして、第三次幻の乳戦争勃発。

「どーいうことよ太一っ!?綺麗さっぱり無くなったんじゃなかったの!この乳っ!!」
「オレだって知るかよ!こんな乳知らねぇよ!ついさっきまでここに乳なんか無かったんだ!!」
「じゃあなんで今こんなデカイ乳がここにあるのよ!おかしいじゃない!てか卑怯よっ!!」
「訳分かんねぇこと言ってんな!」
「て、いいからっ、いい加減太一、放してくれっっ///」

 真っ赤になったヤマトの悲鳴に、乳乳煩かった二人の争いがとりあえず終わる。
 ダンプカーに跳ねられた位の衝撃を空の裏拳から受けたにも関わらず、微動だにしなかった太一の手のせいで全ての衝撃を頭から首、腕一本で賄わされた挙句、至近距離で怒鳴り合いを聞かされたヤマトは堪らない。
 どうでもいいが、年頃の男女(?)が、乳がどーのと叫ぶものじゃない。

「ああ……悪い」

 謝罪と共にやっと取り戻した右手は…果てしなく熱かった。

「……………………いったい、どーなってんだ…?」

 困惑も露わに呟くが、それに明確な答えが今返って来るはずも無く…。
 思考の迷宮に溺れそうになりながら、三人の動きが見事なシンクロで、くる〜りと『藁』へ向く。



「「「………光子郎(君)?」」」



「はいっっ!!大至急原因を調べますっっ!!」

 困った時の知恵袋は、感情の一切篭もらない三対の視線に曝され、半分泣きべそをかきつつも、それだけをやっと確約してパソコンに向かったのだった。


























「……ここは、こんなにも綺麗だったんだね」

 デジタルワールドの森の中、白い学ラン姿に髪を綺麗に整えた少年が憂い顔でそう呟いた。

「それなのに、僕は…」

 押し潰されそうな罪悪感に俯くと、下から心配そうに自分を見上げるパートナーと目が合う。

「賢ちゃん、賢ちゃんがやったことは、確かに簡単に許されることじゃないかもしれない。でも、だからこそ、やれることもあるってボクは思うから」
「…ワームモン…」
「それにボクは、何があっても賢ちゃんの味方だから。それだけは、忘れないで」

 にっこりと微笑んでくれるパートナーの存在のありがたさを、こんな時にも痛感する。

 酷いことをした。
 酷い言葉を投げつけた。

 けれど、何をしても、何があっても、彼はいつだって自分の傍に居てくれた。
 体だけで無く、心ごと寄り添ってくれていた。
 命をかけてそれを証明し…そして、生まれ変わっても尚、傍に…。

 その想いが、今彼を支えていた。
 気が遠くなりそうな贖罪の旅にも、こうして踏み出す勇気をくれた。
 そして、当たり前のように傍にいてくれる。

 言葉では言い表せない感謝を込めて、賢はワームモンを抱き上げると、すり、と頬擦りして抱きしめた。
 そこから伝わる、賢本来の優しさが、どんな目に会わされても諦めることの出来なかったワームモンの求めていたものだとは、賢自身は知らない。そして、ワームモンも言うつもりも無い。
 今こうして抱きしめてもらえるだけで、全ての想いが報われたと思えているから…。
 伝わってくる感情が自己嫌悪に満ちていることが悲しくて胸が痛むが、それは二人で抱えて行くもので、賢だけで背負うものでも、自分だけが取り残されるものでも無いことは知っている。
 賢が賢でいてくれる限り、ワームモンはただ、黙ってついて行くだけだから。
 他のパートナーを持つデジモン達と同じように。
 そして、今一乗寺賢は、確実に『選ばれし子供』の一人なのだから。

「ん?なんだろう、あの紫色の…」

 ふと見上げた先に映った、ちょっと引いちゃう位鮮やかな紫色の木の実らしき物に目を奪われた。

「ああ、あれはね、見た目あんなんだけど、中なんか赤と青のまだら模様になってるちょっと変わった実だよ」

 明るく説明するパートナーに、その状態を想像して口元を引き攣らせる。ちょっとどころか随分変わっている気がした。
 少なくとも、食欲をそそる物では無いことは確かだ。

「あ、でも賢ちゃんは食べちゃダメだよ!」
「え?食べないよ…と言うか、あれ、食べられる実なの?」

 想像だけで引いちゃうような物を進んで食べたいとは思わないが、ワームモンの言い回しが気になった。

「うん。見た目ちょっとあれなんだけど、すっごく美味しいんだ♪」
「へぇ〜、見かけによらないものなんだ…。でも、じゃあどうして僕は食べちゃダメなの?」
「ん〜、ボクもよく分かんないんだけど、『テンカンノ実』って言って、人間は食べちゃダメなんだって昔聞いたことがあるんだ。デジモンは構わないけどって」
「ふ〜ん?人間だけなんだ?」
「うん、たぶん」

 頷くワームモンからグロテスクな見た目の木の実に視線を移し、首を傾げる。
―― 『テンカンノ実』、『テンカン』『点間』『展観』『転換』…人間だけが駄目ってことは…『性転換』?…まさかね。

「賢ちゃん?」
「ああ、ごめん。行こうか」
「うん♪」

 その話はそこで終わってしまい、二人は森の奥へと入っていった。
 当たり前だが、二人が今話題に上げた実を、数週間前に某オレンジのデジモンがパートナーに食べさせようと持っていたことを二人は知らない。
 そして、それに雷が落ち、その後起こったとんでもねぇ出来事も知る由も無い。
 更にちょうど今、某知識の紋章保持者が、必死になってデータ収集をしていることも…。







 今現在、解決の糸口に一番近い所に居る少年が仲間になるまで…もうしばらくの時が必要だった。









 

 おわり

終わりです。完結です。
そして、次回からは『太一1/2』が始まります。
嘘です(汗)

ごめんなさい、お待たせしました!!!(滝汗)
改めて読み返すと…スゴイ話だな〜(汗)
空って…………………(フェードアウト)
男性陣は揃いも揃ってPーだし(苦笑)
まあ、書いてた私は楽しかったですし、お読みになった皆様も楽しければ、
それでオールオッケー♪でございますがね(笑)