大丈夫だなんて、言わないで…。 そうしたらもう…何も言えなくなってしまうから…。 平気 気にするな 大丈夫 大丈夫… 君から出る言葉はいつだって前向きで、いつだって、いつだって…真っ直ぐで…。 出会った時、真っ白だった君の翼。 本当に羽があると思ったんだ。 その羽で飛んで、ぼくの所に来てくれたんだと…。 真っ白で、綺麗で、輝いていた君の翼。 君の笑顔とおんなじように…。 一緒にいられて嬉しくて、楽しくて…そうしてようやく気がついた。 戦う度に、君の心が傷ついていたことに。 戦えない自分が辛そうに…。 戦うぼくが、苦しそうに…。 大丈夫 平気 そう言いながら、君の心は傷ついて…羽はいつしかボロボロになっていた。 傷ついて、汚れて、ボロボロに…。 …もう、飛べないね… そう思うぼくに君は笑う。 大丈夫 お前が飛べるから ちっとも苦しくなんかないっていうみたいに笑う。 だからぼくも、痛い心を無視して笑う。 大丈夫だって…笑う。 ぼくには翼なんか無いけれど。 手足だって無かったけれど。 君が笑うなら…翼あるものに進化しよう。 翼が無くても、飛べる戦士に進化しよう。 大丈夫 大丈夫 君が笑う。 ぼくも笑う。 笑い合って、傷ついた体を抱きしめる。 抱きしめて…見えない所で涙を流す。 そうして…耳元で君が言った…。 ……ごめんな… それを聞いて…ぼくの心はまた少し痛む。 大丈夫だよ… 力がこもる。 頬をすり寄せる。 生きているぬくもりが伝わる。 だから…。 大丈夫 ぼくもそれを繰り返す。 そうして…また戦場へ行く…。 君の心を傷つけながら…。 |
おわり |